11月15日(土)、イオンレイクタウンで開催された九州カリーナと京都カグヤライズの試合を観戦しました。
事前に発表されていたベンチ入りメンバーでは、京都カグヤライズ側がエースの出雲美空を外しており、ラファエル・エリアスのいない京都サンガのような状態。
一方で今シーズンここまで全敗の九州カリーナはシン・ユビンとキム・ナヨンという国際大会でも活躍する韓国代表の2枚看板を同時投入する必勝の布陣。
京都は高校生・大学生のみでの構成となっており、普段と比べてだいぶ違うフレッシュな顔ぶれが目立つ印象でターンオーバー感が否めず、この好機を逃さずなんとかイオンで今シーズン初の勝利をと気合の入ったメンバー構成の九州側とは非常に対照的。
九州側が木下アビエルにみえてくるぐらいあまりに戦力のバランスに偏りがあって、なんだか手負いのアライJrに容赦なく襲いかかる渋川剛気や愚地独歩のような感じもするものの、それでも勝てるか分からないのが九州カリーナ。何せここまで全敗だから、確率的には負ける。
なんて思っていたら本当に九州カリーナが負けてしまいました。
ナヨンとユビンというダブルエースを擁してドンと構えた九州に対して、挑戦者の姿勢で臨機応変に対応し、VMに持ち込んで勝利するという、そこしか勝ち筋ないけど、薄いところを見事に引ききった京都カグヤライズの素晴らしさが際立つ結果となりました。
個人的にはVMは意表をついたサウスポーの日下部よりもデン・ミンイの方がやはり良かったのではと思いましたが、こういうのは結果を出した采配や作戦が大体正しいということになるので、素直に肯定して称賛するべきなのでしょう。
負けた九州側のオーダーへ文句のつけどころはなく、ユビンをVMに残してシングルスのみの起用にして負けたのだから仕方がないと思いました。
気になったところがあるとすれば、山室早矢の試合で監督がタイムを取らなかったこと。
前節の笹尾明日香(日本生命)戦で接戦を落としたことについて作戦やアドバイスが空回りだったことを引きずっていたりするのかなと少し心配になりました。
本当はダブルスもタイムを取ってほしかったのですが、韓国のコーチが取ってナヨンに修正をお願いしてほしかったので、全体的にそのあたりの、チームとしてのコミュニケーションがうまくいっておらず、日本人サイドが選手含め遠慮や萎縮をしてしまっているところがあったのかもしれません。
今回は、九州カリーナ改め韓国カリーナとなって戦って敗れました。どんな試合でも負けて良かったということはないのでしょうが、もしかしたら今回勝ってもなんだかなとなっていたかもしれないですし、正直言えば以前に蒲田で見た時の日本ペイント戦のような悔しさや興奮があまりなく、それがちょっと寂しかったです……。
イオンレイクタウンでの観戦は席と台との距離がかなり近くて臨場感はすごくありました。
自分はプレーする選手の真後ろのポジションだったので、ちょっと角度的に見づらさはあったものの、コーチやベンチメンバーになった気持ちでの観戦が楽しめました。若干、席と席の間などが窮屈だったかなと感じましたが、商業施設での限られたスペースでの開催ですから仕方ないのでしょう。
練習と試合の時に時々ボールが席の前のフェンスに勢いよくぶつかるのですが、威力や回転がすごく、プロの球はやはり違うなというのを体感出来るのも良かったですし、この迫力が味わえて7000円のチケット価格はお得だったと思います。
九州カリーナ(女子)の試合は夕方5時からだったんですけど、その前に同じ会場で岡山リベッツと静岡ジェードの男子の試合が12時から開催されていたので、イオンに開店から入って公開練習の様子から立ち見で楽しませていただきました。
女子もそうだったのですが、普段の試合だと恐らく各会場で行われている試合前の余興について今回はイオンが会場だったこともあってか、各チーム交互に2回ずつの公開練習が行われたのみでした。
1階だけでなく、2階と3階からも観ることが出来たので、1階から3階まで場所を変えながら観戦してみました。
2階は手すりから上の部分に障壁がなく、フリーな状態で上から見下ろせたのですが、3階は落下防止等のためか、透明な防護板が高いところまで設置されており、膜とか窓ガラスを通して観る感じで、見え方としては今ひとつに思いました。
それと、1階部分は衝立などが多く、かなり立ち見エリアが制限されており、折角立ち寄ってくれた人たちを吸収しきれていないような構造に映り、もっとウェルカムな環境に出来なかったのかなと感じたのが残念でした。
ただ、周囲に集まって観戦する人たちの多くは卓球にプロリーグがあるんだと驚きの声を上げ、迫力のあるラリーに感嘆の声を漏らしておりました。
自分なんかは世界の張本智和やシン・ユビンがイオンという商業施設の通路の一角で真剣勝負をしないといけないことについてどうなんだろうと少し冷めた見方をしていましたが、卓球とTリーグの認知度向上のために意義がある開催ではあったと思いますし、こういうところでもプロの真剣勝負を披露できる卓球の強みが活かされているなと感じました。
耳に入ってくる立ち見客のトークでも張本の知名度は抜群で、皆、張本のことだけは知っていました。「張本って本物の張本? 岡山の人なの?」「チョレイの奴?」「妹も来てるの?」などなど。やはり会話の中心は張本。
岡山のベンチには張本の父親がコーチとして入っていたんですが、パパのことまで知っているのは相当マニアックな知識になるみたいで、そこまで話す人は自分が耳にする限りではいませんでした。
実はこの日、一番楽しめたのは立ち見観戦した濵田一輝と谷本拓海のVMでした。濵田のことめっちゃ応援してました。濵田くん、なんであそこから捲くられるんですか……。
張本パパ、最後のVMではベンチで大人しかったけど、出張ってアドバイスを送る時とそうでない時の違いはなんなのだろう……とか、自分で視点を自由に操作出来る生観戦ならではの面白さを堪能しました。
でも、2試合連続での観戦は疲れます。
木下が男子のマイスターと女子のアビエルで同会場を利用したダブルヘッダーを採用しており、女子の方は客入っても男子の方が寂しいから男子の方も応援してくださいとアナウンスしているのを聞いたことがありますが、2試合連続での観戦は体力的にきつく、客にとっては金銭面以上のハードルが存在することを痛感しました。
木下の試合は割と良い環境で観戦出来るようになっているらしいのですが、そのあたりのダブルヘッダー観戦前提での負担感についての配慮もあるのかもしれませんね。
ところで、審判台のところにタオルを入れるボックスのスペースがあるじゃないですか。
ダブルスの場合はペアの選手それぞれのタオルが同じ場所に入るんですけど、上から見ると結構雑多に入れられている時があって、同じチームタオルだとどっちがどっちのものか区別つかなくなるんじゃないかと思いましたが、そんなこと気にしてたらスポーツなんて出来ないのかもしれませんね。
いや、でも実際どうなのでしょうね。名前シールとか貼ってたりするものなのかな。
イオンレイクタウンは、moriとkazeとアウトレットの3棟で構成されており、それぞれがもう大きくて立派なモールであり、1日じゃとても全部回りきれないなというほどのまさにひとつの街といったスケール感です。
ただ、慣れていないと同じ光景のダンジョン内をずっと冒険しているような感覚に陥って、とにかく常に迷子になりそうになります。
Tリーグの試合はmoriの一角で行われたのですが、一部エリアの1階部分は犬がOKなのか、ワンワン吠えているのがよく聞こえ、森林をイメージした装飾をしていたらジャングルで卓球している気分になれたかもとか思いました。
とにかくモール内は人が多くて、座って休憩するところを見つけるのも難しいオーバーツーリズム状態。ドトールで外待ちの列とか田舎者の自分は初めて見ました。でも、外国人はあまりいなかった気がします。あと、あんなに人がいたのにトイレは綺麗に保たれていて、どのタイミングでも快適に利用することが出来、流石人気施設と見えない施設スタッフの姿に勝手に唸らされました。
朝1、開店10時時点のまだ余裕がある状態のモール内を歩いていたらもう人だかりが出来ているところがあって、ここで卓球が行われるのかなと思ったらXiaomiのブースでした。
越谷レイクタウン駅とイオンレイクタウン。駅を出たらすぐイオンです。